偶然の恐怖?

2/14
前へ
/867ページ
次へ
~美由~ あの日から早瀬さんは会社に来る事がなかった。 辞表が提出されたとは聞いていないが恐らく課長が上手く処理をしたのだろう。 ひよりは来週から会社に復帰すると連絡があった。 電話から聞こえたひよりの声は昔の元気を少し取り戻したようにも聞こえた。 本当に竹内さんのおかげなのだろうか? 会社に来た時に聞いてみよう。そう思っていた。 そんな訳でデザイン課は人手不足。 めちゃめちゃ忙しい日々が続いていた。 残業は当たり前。 ひよりがいない今、帰りは課長がつけた女性のSPがついてくれている。 なので沢田さんが私に直接接触してくる事はなかった。 そんなある日、部長に頼まれお得意先に書類を届けに行く事になった。 仕事中外へ出る時は必ず課長、もしくは碓氷さんに連絡を入れることになっていたので私は課長に連絡した。 行き先を伝え電話を切りお得意先へ向かう。 奥田物産からの最寄の駅から電車で二駅のところにある会社を目指した。 無事に書類を提出し駅までの道のりを歩いていると突然目の前を歩いていた女性が倒れた。 私は驚いてその女性に駆け寄る。 「大丈夫ですか?」 声をかけるが苦しそうに胸を押さえる女性。 見たところ50代ぐらいか……。
/867ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31732人が本棚に入れています
本棚に追加