それってマリッジブルー?

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母の手料理は美味しかった。 そして懐かしくもある。 だが私は父と課長が気になってしょうがなかった。 「どう?味」 「うん。美味しいよ」 母に聞かれ私は答える。 普通にしているつもりだったが母は気がついていたようだ。 「心配いらないわよ」 母はもくもくと食べながら言う。 「お父さん。素直じゃないけど貴史さんの事は認めているから」 そういえば何度か会ってると言っていたっけ。 「貴史さん……私が知らない所でここに来たって……」 私は聞いてみた。 「そうよ。全然連絡をくれない薄情な娘の代わりにね」 うっ……耳が痛い……。 私は縮こまる。 「一番初めに来たのはあんたが貴史さんと一緒に住む事になった時だったかしら」 「えっ?」 私は母の顔を見る。 「本当の初めは電話だったけど娘さんと一緒に住まわして下さいって。あんたストーカーにあってたんでしょ?」 「貴史さんそれも話したの?」 「当たり前でしょ?突然一緒に住まわせて下さいって言ってはいどうぞって言う親がいますか!」 そりゃそうだ。 「美由を守るため。って言ってたわ。彼氏ですか?って聞いたらただの上司ですって」 母は笑いながら言った。 「上司がそこまでするのかって思ったけど聞いたら奥田財閥の御曹司だって言うじゃない。お金持ちの考えてる事は一般市民の私達には解らないものね。 でもね。真剣だったから」 「えっ?」 「貴史さん。真剣だったのよ。あなたを守るって言った時、本気さが伝わってきた。だからあなたを貴史さんに託したのよ」
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