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「家族に甘え仕事に没頭する時も来るでしょう。ですが……必ず約束します。美由がいつも笑顔でいられるように……。私の中にあるたくさんの愛を彼女に捧げます」
「それは必ず幸せにするって事か?」
「無論です。彼女には私の事でつらい思いをさせてきました。別れた方が彼女の為にいいのではと思った事は一度ではありません。ですが無理でした」
お義父さんは手に持っていたコップを置いた。
「さっきも言いましたが私の原動力は彼女です。彼女なしでは生きられない」
「大袈裟だな」
「そうですね」
俺はクスリと笑った。
「でも私にとっては大袈裟じゃありません。彼女は私のすべてですから」
俺はそう言うとコップの中の酒を一気に飲んだ。
「君は……随分と恥ずかしい事を言うな」
お義父さんの言葉に俺はそちらを向いた。そしてまたクスリと笑う。
「ほんとです。昔の私からは考えられませんよ」
昔の俺が今の俺の言葉を聞いたら「気持ちわりぃ」って思うだろう。
「これもすべて彼女のせいですからね。責任は取ってもらいますよ」
俺は笑みを浮かべて言った。
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