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サラは同い年の少年の顔を見つめた。
もう年からして、青年になるのかな……
サラたちは18歳だ。この国、アルバスではもう成人として扱われる。サラは二週間ほど前に、成人の辞を終えたばかりだった。
「不満じゃないよ、楽しいし。……アレクは、外に出たいなって思わないの?」
「オレか?」
アレクと呼ばれた少年は少しだけ目を見開いた。自分は訊かれない、と思っていたのだろう。
アレクはしばらく唸っていたが、結局つまらなそうに顔をあげた。
「確かに何があるかとか見てみたい。」
「でしょ? もう少し大人になったら出てもいいかなって思うんだけど……」
「親か?」
苦笑混じりのアレクの言葉に、サラは暗い顔で頷いた。
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