アルバスの旅人

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サラの親は厳しい人で、ついでに普通の人より少しだけ位が高い。 親は毎日村長として、国の指示を預かってそれをもとに村をまとめる。 サラはそんな親を尊敬してはいたが、好きになれないでいた。 家系のせいか、サラは小さい頃から勉学に追い回されていた。もともとサラは外が好きで、サラにとっては小さな室内はとても辛かったのだ。 そこで夜遅くになってからや親が許してくれた休みの日には、外での習い事にかなり打ち込んだ。 それは武術だった。また、武器を使うのも含めて稽古を受けたのだった。 親が知ったら、女だったらそんなものをやるなと叱られる。 ただサラにとって剣を振るい、矢を放ち、また素手で相手と対峙するのは、自分のできるささやかな抵抗だったのだ。
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