アルバスの旅人

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しかし、サラが予想をしていなかったことが起きる。 サラの才能は素晴らしかった。男にも負けないほどに。 筋力の弱い女でも使える武術をいくつも体得し、武器も十分すぎるほどこなせた。特に剣には、目を見張るものがあった。 道場には親の耳に入らないようにしてほしいと頼んだのだが、サラの噂は一ヶ月を待たずに広まった。 当然親に叱られた。だが親は、サラに道場を続けてよいと許可を出したのだ。 今思えば、自分達の名前がさらに広がるからということだろうとわかる。けれど、当時のサラには嬉しかった。 話がそれたが、とにかく親はサラの自由を許さない人だ。サラが海を見に来るのも外を恋しく思うのも、自由を望むからかもしれない。
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