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サラの隣にいるアレクも、武術を習っている。サラが負けたことはないのだが。
「サラの親は怖いしなぁ。」
「怖くはないけどね……もう大人なんだから、王子とでも結婚しろってうるさいんだよ。」
「ははっ、サラなら多分できるけどな。」
アレクが笑ったのでサラは鋭い目で睨み付けた。
それでも笑うアレクの頭を軽く叩くと、サラは静かに腰をあげた。
「え、怒った? ちょっとどこ行くの。」
アレクは動揺したように声をあげた。
「家に戻るよ。そろそろ、授業だから。」
サラは少しだけ振り向き、悲しそうな笑顔を浮かべて村の方向を指さした。
これからサラを待ってるのは、苦の時間だ。
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