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じっと見つめられて、思わず顔が赤くなる。
しかたないだろ、男だし。
「(うわー…どうしよ、これ…)」
耐えきれなくなり目線を下に向ければ、じゃり、と歩く音がした。
いなくなるのか?と思ってれば、足音はだんだんこちらへ近づいてきて、
ぐ、と顔を上へ向かされる。
俺は固まってしまった。
なぜって――
「ねぇ、聞いているんですか愚民さん。あ、聞こえてないんです?あ、耳悪い人なんです?それはそれは失礼しましたなら筆談でもしますか?私スケッチブック持ってますしあ、目も悪かったんですねごめんなさいならどうしましょうかねぇ答えてくださいます?あ、耳悪いんだから聞こえませんし答えられませんよねごめんなさい」
ものすごくどす黒い何かを背負った美少女が、汚物を見るような眼で俺を見てきていらから――
そしていきなり罵倒されたら誰でも固まると思う。
け、決して美少女に見惚れたからではない絶対に。
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