5793人が本棚に入れています
本棚に追加
私の「千尋さん好き」は、もう道場の誰もが知ってること。
でもだからって、別に隠すつもりはないし。
一点の曇りもないこの気持ちを、隠す必要なんてどこにもないんだから。
「よかったな。…多分ビックリするよ、千尋さん。」
「へ?何で?」
「朱莉、痩せて可愛くなったよ。前と感じも変わったし。」
「……!!そう思う!?思ってくれる!?」
…やったね!!私!!
私の努力を認めてくれる人がここにいた!!
私は思わず飛び上がって喜んだ。
「ハハッ、バーカ。そういうリアクションだから、やっぱ変わってないってバレるんだよ。」
「あ、そっか。…ありがとう、圭くん。」
ちょっと髪を直して、取り繕うように佇まいを正した私に、圭がまた「バーカ」って笑った。
バカって言いすぎだって。
「お前さ、ホント金魚だよな。」
「へ?金魚?」
圭に頭をぐしゃぐしゃ撫でられながら言われた言葉に、意味が分からなくてキョトンとする。
最初のコメントを投稿しよう!