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「さぁ?あっしは中を見ずに渡して来たんで…。だいたい…女子の頼みや約束を破るなんざ、男の風上にも置けませんよ。」
そう誇らしげに語る男に礼を告げ、宗右衛門とハチは橋の向かい側へと歩いて行った。
「小箱を渡す女か…。何者なんですかね?」
「さぁな。…ただ何かを知っている可能性はあるな。」
二人は夜中に橋に立っていると言われる女について聞き廻った。
最初はなかなか情報が集まらなかったが、数人からの情報により、共通点が分かり始めていた。
「とりあえず話を聞いた限り、全員箱の中身は見てないって事だな。」
「親分、あとはかなりの別嬪さんだって事も一緒でしたね?」
宗右衛門は腕を組み考え込んだ。
(見た者の話じゃ…女はかなりの別嬪で、袂の者へ渡して欲しいって言う事は一緒だったな。……あとは小さな箱の中を見てないと言う共通点。……!…もしかして…?)
「もしかして…箱の中を見てない者がみんな無事だとすれば、見た者が被害者かも知れんな。」
「Σ中身を見たら目玉を抉られて殺されるんですか?」
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