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大山課長を乗せた救急車はサイレンを吹鳴させながら大学病院を目指している。
轟き渡るサイレン。マイク音。救急車の急加速・急減速の衝撃に反応し大山の意識が回復した。
(救急車……、いったい何があったんだ?)
大山は傍に次長が居ることに気づいた。
「次長、どうして……」
次長は最後まで聞こうともせず大山の言葉を遮った。
「大山君、話さない方がいい。体操の途中で倒れたんだよ。もうすぐ、大学病院に着くから……」
救急車がサイレン停止。吹鳴音が耳に残るなか、救命センターへ担ぎ込まれた。
救命のドクターが尋ねる。
「動けますか?」
大山は体を動かそうとしたが、背中から腰にかけ激痛が走り苦悶する。
「骨折の可能性があります。動かずじっとしていて下さい」
そして、最終的には頭部から腰部のMRI検査が実施された。
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