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1時間にわたる応急措置と検査が実施され、達也は第2内科病棟に入院した。
診断の結果は外科的には腰椎骨折・後頭部打撲、内科的に要精密検査との事だった。
後頭部を強打し脳に損傷を負った可能性もあったが、幸いに打撲で済み、後遺症障害が残る可能性が高い脳挫創の心配は免れていた。
病室に一人、真っ白な天井を憂うつそうに眺めている大山。
不思議に思うことがあった。
(腰椎骨折・後頭部打撲の患者なのに第2内科……、なぜだろう?)
暫くして、大きな紙袋を下げた妻の典子が来室した。
「お父さん、大丈夫? もうびっくりさせないでよ……、救急車で運ばれたって聞いたから、心臓が止まりそうになったんだから…」
「あはは、ごめん、ごめん。俺の方がびっくりもんだよ。気がついたらピィーポー、ピィーポー走ってる救急車の中だったんだぜ」
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