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持ってきた紙袋から衣類を取り出す典子が明るく笑っている。
「うふふ、そうだったの、大変だったわね……。ところでさぁ、お父さん、ここって第１内科と第２内科に別れてるじゃない。その違いって判る？」
「えっ、違い……。初めて入院するのに、そんなもん知るわけないだろう…。まったく、もう……」
「そうだよね。実は、私も知らなかったから受付で聞いてみたの。するとね、先にできたのが第１、後からできたのが第２ですって」
「なんだ、そんな単純なことかぁ……」
一旦、会話が途切れ、典子は衣類や洗面用具を手際よく整理していた。
天井の白色灯をうつろな目で眺めていた達也が口を開いた。
「お母さん、困ったことがあるんだけど……」
片づけを終え、ベッド横のパイプ椅子に腰を下ろしながら典子が反応する。
「なに、どうしたの？」
「それがさぁ、問題なのが便所だよ、便所。しょんべんも糞も一人じゃ出来ないんだよな。コルセットしてるけど当分動けないらしい……」
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