高潔を愛(アイ)しすぎる氷

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アイシスの冷気はコルディアーナに匹敵する。故にほとんどの攻撃は破壊できた。 だが、強さ故に純粋な冷気はアイシスを求めてやってくる。 無限に。 それが、この氷結山。 「はぁ、、、!はぁ、、、、っ!くっ!!」 きりがない!!終わりはないの!? 手がさすがに痺れてきたわ。 「もしかして、、、。」 いや、ダメよアイシス。最悪な考えを今浮かべてしまった。 もしかして、山にある全ての冷気、氷が私を目指している? なんて、考えたら終わりよ。そんなはずない。 「でも、、、。この圧倒的な物量はやっぱり、、、。」 終わりなんて、ないんじゃないかしら、、、。 わ、、私は氷に殺されるの? 一番大好きな冷気に殺されるの? 「は、はは、、、。まさかお姉様は助けに来てくれるわよね?見殺しにするわけ、ないわよね?」 そんな期待はむなしく、アイシスの肘を氷が貫いた。 貫通したのだから、血が吹き出る。 その赤い血が、白い世界に初めて色を与えた。 アイシスはそれを見た瞬間、初めて死を意識したのだ。 「、、、、、痛い。」 なんだかもう疲れてきた。 必死に抵抗するのも馬鹿らしい。 「、、、、、っ。」 続けて右肩も、貫かれる。 両腕の自由がなくなった。 「はは、、、。こんなに痛いのに、誰も助けにきてくれないんだ。、、、そっか、、、。」 今は、まだ足がある。動けてる。 致命傷は避けてる。 だけど、足をやられたらおしまい。間違いない。 心臓を氷に貫かれる。 「どう、したらいいのお姉ちゃん、、、、。お姉ちゃんは、こんなのをどうやってクリアしたの?」 山を丸ごと凍らせた?いくらお姉ちゃんでも無理。 なら、どうやって? 「くっっ!!」 考えている内に、右足が斬られる。 ふくらはぎから大量の出血。 「出血は止められる。だけど、治るわけじゃない、、、。」 どう、したらいいの。
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