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残るは左足。
アイシスの感覚が段々、細くなってゆく。
一瞬、ユウミの笑顔が浮かんだ。
「な、なんであの鈍感娘の顔が、、、、、。わ、私が死んだらどう思うだろうな、、、。」
そういえば、アイス買ってくれたっけ、、、。
お姉ちゃんの妹だからって、ほとんどの親衛隊が私を特別扱いする中、あいつだけはいつも、ズケズケと私のプライバシーに入り込んできたっけ、、、。
お部屋を掃除しますね!!とか
お風呂まだですよね!入りましょうアイシスさん!!とか
女王様とどんなお話するんですか!?きかせて下さい!とか。
とにかくうるさかったわ。
お姉ちゃんラブな天然ユウミ、、、。
「なんかイライラしてきたわ。やっぱり生きて帰って仕返ししなきゃ嫌だわ。ズケズケとね。」
そのためには、、、。
状況を確認しなきゃ。左足以外は致命傷。
残れば右足と、右手が少し。
両手が使えないんじゃ最大魔法は使えない。そもそも、あいつらは魔力に引かれてやってくるんだ。 意味はない。
「冷気を抑えても、私の中には常に冷気魔力が存在してる。死なない限り魔力カットは無理。」
ならどうする。考えなさいよ、アイシス。私は鬼神に負けない冷気の持ち主、、、。
こんなとこで死ねない。
「どうしたらあいつらはおとなしくなる?」
、、、、、否定の感覚。
そうだ、否定したいと思った時に私のあの力は出たはずだ。
今まで何回もそう思ってる。だけど、出ない。
「、、、そうか、出したら私が強力になるだけで、意味がないんだ。だから、本能的に、、、。 」
否定の力は使えない。
肯定は、どうなるのかしら。
「私が、相手を肯定したらどうなる?仲間になるのかしら。」
一瞬。そんな馬鹿げた考えをした時。迫る氷が一瞬、止まったかに見えた。
「、、、、まさか。ヒントなの?これって。」
そうだわ、じゃなきゃそもそも否定の力を使える私を連れてきてない。
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