高潔を愛(アイ)しすぎる氷

41/50
前へ
/264ページ
次へ
ほぼ、体の感覚がない。 脳裏には常に氷に襲われているイメージが染み付いている。 、、、しばらくトラウマね。 「く、、、、。あれから、すぐ気絶しちゃったか、、、。情けないわ。」 「動いたら、吹き出るよ。」 治療するは、リスピレス。緑色の光がアイシスを包んでいた。 「リスピレスさん。そうか、城に帰って来てたんだ、私。」 暖かい、、、。リスピレスさんは、こんなにも暖かい治癒魔術が使えたのね。 「、、、なんかすごい修行してきたみたいだね?誰と闘ったの?、、、すごい重症だけど、、、。」 「、、、山よ。」 「そっか、、、。頭も打ったんだね。待ってて。」 「ちょっと!!私はまともよ!、、、山の冷気が、刃となり襲ってきたのよ。それを退けるのが修行だったの。」 「あ、なるほど、、、。でも、山が相手じゃコルディでも厳しいんじゃ、、、。」 「、、、倒した、ってよりは認めたのかな。仲間にした、みたいな感じ。自分でもよくわからないわ。まだ。」 「私も、そうだった。」 女王が静かに入ってきた。 「お姉ちゃん、、、。」 「コルディ、大丈夫だよ。まだ死なないと思う。」 「馬鹿者、殺すつもりか。、、、アイシス、質問するぞ。お主の冷気、強まったと思うか。」 突然の質問に、アイシスは少し考える。 「、、、強まった、というより力を自然から借りられる術を得た感じかな?」 「うむ、山という自然の塊を仲間にしたことによって、大いなる冷気が味方についた。同時に、お主は否定を乗りこえたな?」 「うん、、、。今でもよく覚えてる。否定したら倒せない、じゃあどうしようって。」 「ふふ、、、。私はその時は、お主のような特殊な力、つまり否定の冷気はなかった。そのぶん、純粋な冷気魔力だけはずば抜けていたからな。それでしばらくは防いでいたのだが、、、。」 「コルディの魔力は、馬鹿力だからね。」 「ゴホン。、、、そして、お主と同じように山の冷気達を迎え入れたのだ。アイシス、お主は間違いなく私の次に冷気を操れる存在になったな。」 「、、、うん。お姉様は?、、、あ、リスピレスさんにはばらしちゃったの?」
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加