高潔を愛(アイ)しすぎる氷

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妖精王の暗躍、アイシスの修行と魔界が動きつつある中。 地上の雨の国もまた、動きつつあった。 「メッツァとロイ、メルシアはローレライ王国で手伝いしてるんだって?」 プロシアが、書類を片付けているユーリカに問う。 「ええ。確か宝の鏡を奪われてあっちも大変みたいよ。ま、こっちにはあなたやソーリス達がいるから大丈夫だけど、、、。」 「鬼神とはあんまり闘いたくないなぁ、強いんだもん、、、。」 「そうね、、、。それより今はメイコが問題よ。どうやって取り戻すか、ね。」 「ああ、、、。」 少し、暗い表情を出したのは、プロシアが真剣だからだろう。 「妖精王とやらは、多分魔界でしょうし。リスピレスさん達が協力してくれれば何とかなるかな、、、。」 「ああ、そうだな、、、。」 「ちょっと、どうしたの?さっきから。大丈夫?死神との闘いで疲れたかしら。」 「いや、、、。」 メイコ。、、、私が、必ず助けてやるからな。 この体にかけても。 水練場 六柱神となったミレイナ。 その強大な魔力を制御するために、かなり苦労していた。 「水の奔流が、感じられますか?」 「ええ、、、。普通にしていても常に雪崩の中にいるような、凄まじい水の魔力。正直、、、。」 「早かった、と?」 「はい。、、、私ではまだ、扱いきれませんわ。、、、とても、六柱神だなんて、、、。」 今の今まで、未熟な小娘だったんですから。 「でも。世界中探しても、私やヤクモさん以外ではあなたほどの使い手はいませんよ。、、、そう、、、成るべくして、成ったんです。自信を持って、ミレイナさん?」 「は、はい。」 ソーリスさんは、やっぱり美しいですわ。 こんなに、優しく安心する方が側にいるなんて。 「水を抑えてはいけません。流れに乗ってしまえばいいんです。竜の力がある分、強力でしょうが、あなたには扱える資格がある。負けてはいけません。」 「流れに、のる、、、。」 滝のような、この感覚に乗る、、、。 難しいですわ、、、。
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