妖精の産む悲劇

4/23
前へ
/264ページ
次へ
姿はメイコだが、まるで正反対の冷気。 寒ささえなく、暗く重たい冷気はソーリスとエキドナを絶望的にさせていた。 「私を、、、、、。セイクリッドや冥王無しで止められると思ったか。」 妖精王フェアロード、あくまで高圧的に二人を見下ろす。 「メイコさん、いえ、、、。妖精王でしたね。やはりあなたは、この国の魔方陣を開くつもりですか。」 「やめなよ、そんなこと、、、。」 エキドナに少し目を向け、そらすフェアロード。 「、、、、、。もはや憎しみは、止められん。どいてもらう。」 「憎しみですか。何に対して、ですか。」 「、、、、、私を迫害したもの全てだ。」 「ソーリス、この人はもう話してわかる人じゃないよ。、、、あの目は、本当に絶望してる。」 「エキドナ、、、。悲しいですが、仕方ありませんね。、、、妖精王、あなたは私たちが止めます。」 水が舞い始める。 「ソーリス、解放できるの、、、?」 「ええ、問題ありません。」 巫女様は魔方陣を抑えることに手一杯。戦いに加わる事は厳しいでしょう。 ならば、わたし、水魔ソーリスができることは、、、。 魔方陣のある広場 「今回ばかりは、覚悟せねばな。」 巫女セイクリッドは不安定な魔方陣を魔力で抑えていた。 妖精王フェアロードが本気ならば自分でも勝てない。 「強いくせにろくに戦わないマリアはどっかに行ってしまうしのぅ。ほんとにどうしようもない。」 、、、間に合うかのぅ、あやつらは。 雨の国だけでは、妖精王には勝てぬ。
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加