妖精の産む悲劇

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マクダエルVSヤクモ・ミレイナ 「坊や相手に二刀流は可哀想ねぇ。左手だけにしてあげるわ。」 「くっ、、、!!」 片手だけで手加減するマクダエル。だが、弱いわけでもない。 それをヤクモは、防ぐだけで精一杯だった。 「坊やの槍、、、。水の槍、立派なものだけれど私の剣はもっと立派よ?魔界にただ1つしかない、黒き炎から生成された剣。」 「そ、そうかよ!、、、なんであろうと、負ける理由にはならない!、、、水の矢、いけ!!」 バシャッと弾けちる矢。 マクダエルには通用しない。 「ふふ、涼しいわね。、、、そんな矢、素手でも砕ける。あなた、本当に十二柱神?」 「く、、、。ほんとに化け物だな、鬼神ってのは、、、。」 確かに、俺も本気じゃあない。解放すれば、まだやりようはある。 でも、倒せないだろう。相手は剣士だ、ユウキじゃなきゃ、多分、、、。 「、、、ミレイナ、ちょっといいか。」 「な、なんですの、ヤクモさん?」 「、、、俺が解放すれば、多少は時間が稼げるはずだ。ミレイナ、その間に何か強力な技を考えついてくれ、いや、聞いてくれ。」 「な、、、。いきなり私に、そんなこと、、、。」 「ミレイナは竜の柱神だ。多分、竜にしかないパワーが、、、あるはずなんだ。内に宿る竜に、聞いてくれないか。」 「内に宿る、、、。」 対話しろということ、なの。 私にできるかしら、、、。 「なぁに?私を倒せる技でもあるのかしらぁ?」 「造る予定なんだよ、これからな!」 「あらぁ、楽しみ。いいわ、待っててあげる。坊やを切り刻みながらねっ!!」 迫る剣鬼、対するヤクモは、、、。 「よし、、、!!レイナさん往くぞ!水皇解放!」 雨が降り、彼のシルエットが青く輝く。 辺りが雨音だけの世界になりー。 「へぇ、これが水皇解放か。力強さは感じない、、、。」 けれど、奥底に眠る力を感じる。 わかるわ、鬼神の私には。 この坊やは、危険ね、、、。
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