ただ、不器用に愛してる。

ナイショバナシ

窓際の後ろの列、ってなかなかいいポジションだ。

あたし、結構くじ運いいかも。

気になるのは、隣の３１番が誰なのかってこと。

…ていうか、悠斗は何番だったんだろう。

左の一番前の席にそっと目をやると、ちょうどくじを引き終わったばかりの悠斗の姿が見えた。

その横顔からはクジ引きの結果がどうだったかなんて、全く伺えない。

……気になる。

でも、「何番だった？」なんて聞きに行けない。

近くだといいな。

もしかしたら、隣だったりして。

…なんて。

どうせ、隣になったって「よりによってお前かよ」とか言って嫌な顔されるのはわかってるのに。

それでも、

「ねね、悠斗は何番だった!?」

気付けば、そんな会話に夢中で耳を傾けてるあたしがいて。