犬猿の幼なじみ

2/10
前へ
/302ページ
次へ
「ねぇ、もっと離れて歩いてよ」 「俺だって全力で離れて歩きたいっつの。廊下が狭いんだからしゃーねーだろ」 廊下を並んで歩きながら、あたしの刺を含んだ言葉にさらにプラスで刺を加えて返してくるのは通称「学園の王子様」の藤崎 悠斗。 柔らかそうな茶色い髪に、小さな顔。くっきりした二重瞼なのに伏せがちな綺麗な目。 長身なのに華奢な体は、制服を綺麗に着こなしていて。 確かに見た目は「王子様」 だけど、あたしに言わせれば王子は王子でも中身はどす黒い何かで埋まっている腹黒王子だ。  
/302ページ

最初のコメントを投稿しよう!

311人が本棚に入れています
本棚に追加