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「とりあえず、お前はここにいろ」
「…うん」
掴まれたままの腕を、さらに引き寄せられて元いた場所へ着地する。
座った反動で、ベッドが音を立てて揺れた。
…せっかくの料理を黒こげにされちゃ堪らないからって意味の”ここにいろ“なんだろうけど。
わかってても、一瞬ドキッとした。
この迷惑な幼なじみは、無意識のうちに人をどれだけ惑わせば気が済むんだろう。
「眠ぃな……」
かみ殺すような欠伸をして、隣に座っていた悠斗がゴロンと横になりながら小さく呟いた。
「え、まさか寝る気!?」
「んー…」
慌てて声をかけるも、目を閉じた悠斗からは既に夢うつつな返事しか返ってこない。
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