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認めたくはないけれど、悔しいことにそこらへんの下手な芸能人より格好い悠斗は小さい頃から女の子に大人気で。
高校生になった今、格段に色気を増してさらにモテるようになった。
噂じゃ、ファンクラブがあるとかないとか、一日に三回は告白されるとかしないとか…。
そんな悠斗と、毎朝こうして一緒に登校できるなんて周りの女の子たちにとっては夢のようなことなんだろうけど。
そのぶん、嫉妬や妬みも半端ない。
あたしと悠斗は、ただの幼なじみであって彼氏彼女の関係なんかじゃないって言ってんのに。
さっきから、すれ違うたび般若みたいな顔で睨みつけてくる女の子たち。
「毎回言ってるけどさ、着いてくるの辞めてよ!」
あたし、このままじゃいつかこいつのファンに刺し殺されるんじゃないかって最近ほんと真剣に思う。
「は?クラス一緒なんだから仕方ねぇだろ。むしろ、お前が着いてくんな」
だけど、あたしの気持ちなんか知らない悠斗はお願いをあっさりと一蹴して。
嫌そうな顔でシッシッ、と犬でも追い払うかのような素振りをしてみせた。
「よく言うわよ!毎朝、人のこと家の前で待ち伏せしといてさーっ」
「文句なら、うちの母親に言えよ。こっちだっていい迷惑だっつーの!」
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