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そんなあたしの行動を、悠斗は憐れむような目で見ていて。
「何やってんだよ。遂に頭までおかしくなったか?」
「うっさい。黙れ」
てゆーか、頭“まで”ってどういう意味よ。
「黙れだって、おー怖っ」
わざとらしく身を抱えて震えてみせる悠斗をキッ、と睨みつけると。
悠斗は人をバカにしたような笑みを零しながら教室へと入って行って、あっという間に人混みに囲まれて見えなくなった。
「おはよ、奈々」
「唯!おはようっ」
ワンテンポ遅れて教室に入ったあたしに近づいてきたのは、クラスメイトの唯。
悠斗のせいで、どちらかというと女の子からは敵視されがちなあたしに唯一出来た女友達。
唯曰く、”藤崎は確かに格好いいけどあの胡散臭い笑顔が苦手“らしい。
だからこそ、成り立っているあたしたちの関係。
もし、唯が他のクラスメイトみたいに悠斗を好きだったら。
多分、こんな風に仲良くなれてなかったに違いない。
だって、あたしはー…
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