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「違う違うっ!そうじゃなくて……さっき考えてたんだけど、恋って、どんなものなのかなぁ、ってさ。僕、初恋もまだだから……」 「ああ、なるほど。そういうこと……って、えぇっ!?」 「うわっ!な、何っ!?」 突然、美斗が身を乗り出して叫ぶものだから、思わず仰け反ってしまった。 今日は、驚かされてばかりだな。 「雪葉、今まで恋したことないのっ!?」 「う、うん?」 「好きな人はっ!?」 「いない、かな……」 「一度もっ!?」 「うん……」 僕が答えると、一瞬呆気に取られた美斗は、次の瞬間には机に突っ伏していた。 重くて長い、溜め息付きで。
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