プロローグ

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僕は今、恋をしている。 小さくて脆い、片想い。 あの人に届くだなんて、思わない。 思えない。 あの人は、僕を知らないから。 僕も、あの人を知らないから。 ただ、あの人と同じ場所にいたい。 あの人の声を聴きたい。 あの人と言葉を交わしたい。 あの人の笑顔を見つめたい。 そう願うのは、いけないの? 僕は、それだけで十分、幸せだから。 想いが通じれば、なんて、贅沢言わないから。 どうか、許して。 想いは募る一方で、苦しくなる一方だけど、僕はあの人を目で追うことしか出来ないから。 ──"彼"には、幸せになってほしいから──
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