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そう、ほんのちょっとしたことでもいいから、何かあったらいいな、と思う。 ファンタジー小説に出てくるような、そんな冒険だの戦いだのじゃなくて、もっと普通な。 例えば─── ───恋、とか。 そこまで考えて、思わず苦笑してしまう。 恋の仕方も知らない僕なんかが、恋に夢見るなんて。 なんだか、滑稽で笑えてしまう。 ふぅ、と溜め息に似た息を一つ吐いて、読んでいた文庫本に栞を挟む。
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