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「そう言えば……来月のシフト表見た?」
増枝がふと、思い出したようにそう呟いた。
「はい、社員用のシフト表だけなら見ましたけど」
「わたしもね、昨日、玉石君に見せてもらったんだけど……」
商品を陳列し終えた増枝が立ち上がり、まるでゴシップ紙でも見ているような表情で
「それが、一カ月全部草野ちゃんと被ってたのよね」
「へ?どう言うことですが?」
伝票を書き入れ、ファイルに綴じながら増枝に聞き返した。
「だ・か・ら。玉石君と、草野ちゃん、休みがほとんど被ってたってこと」
「だから、それがどうしたんですか?それってたまたまじゃあないですか?」
すると、全て納得したような顔で頷きながら
「きっと、モーション起こすはずだと思うよ。うん。絶対に間違いない」
「あの……話の筋が見えにくいんですけど、モーションってなにですか?」
「相変わらず草野ちゃんはお嬢様よね」
女子高、女子短大に通った経歴を持つ真世は、増枝にとってはお嬢様らしい。
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