充との出会い

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「暇と決めつけないで下さい。いちいち言葉の端々が勘に障ります」 大き目のバックを肩に掛け、通路を歩きはじめると、追いかけるように充が後について来た。 「でも、暇だろ?実家から通っているんだし、友達はみんな銀行勤めや公務員が多いから平日休みは暇で仕方がないって前に愚痴ってたじゃない」 実家通いは家事一切が母の晴美まかせだから、休みの日は一人暮らしだった短大生活より、かなり暇になった。女友達も休日が合わないと言う現状。 それでもそれを認めたくなくて 「自分の部屋を片づけたり、マイカーの洗車とか色々あるんです」 「じゃあ……それ済ませて、お昼からでいいから俺に付き合ってよ」 掃除や洗車など、別にその日にしなくても良かったのだが、言ってしまった以上は仕方が無い。
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