67人が本棚に入れています
本棚に追加
同じ職場の同僚として会うだけで、これをデートと言えるか分からなかったので、あえて増枝には黙っておくことにした。
デートに誘われたとはしゃいで、充にその気が無いのにバカを見るのは恥ずかしい。
今回は、冷静に充の出方を見ようと真世は気軽に考えた。
短大時には、色んな大学生との合コンに参加はしたものの、人見知りが激しく、女子高出身の真世が、初対面の男子と打ち解けるはずもなく、結局恋人いない歴と年が同じと言う今をむかえている。
男子学生など、気軽に付き合えて、直ぐに身体を許してくれる女がいいのだ。
前に一度、女友達に言われたことがある。
『もし、わたしが男なら、真世と付き合うと、なんか、結婚迫られる気分になるよ。だからさ、もっと、くだけた仕草とか出来ないの?』
そんな呪いをかけるような女に見えるのだろうか?
これはきっと、合コンに参加した男たちが、その女友達にポロリと零した会話の一部だろう。
今まで、そんな男性遍歴しかない真世にとって、充の存在は新鮮だった。
好きとか嫌いとか、そんなはっきりとした恋心が沸いたものではなく、ただ、話がしやすく、気を許せる相手と言った感じだった。
最初のコメントを投稿しよう!