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正直、オレも幾度となく逃亡を試みたが、なぜかことごとく失敗におわった。
とりあえずそれは置いて、ここはCMタイムが終わるまでに会話を進めるべきだ。
どうせDVD録画してるんだから後でゆっくり堪能するとして、ここはオレの話に耳を傾けていただきたい。
つーか、そーしろ。
「その口振りからすると、これは先輩自身が入れたのではない、ということですね?」
オレは先輩の前にあるローテーブル…平たく言えば布団なしのコタツの上に、いましがた見つけた謎の物体を置いた。
「その口振りからすると、これがウチの郵便受けに入ってた、ってことになるな」
ご明察。
オレも座布団代わりのクッションを引き寄せて、先輩の横に座った。
端から見たらさぞかし怪しい絵面にちがいない。
二十歳もとうに越えた男がふたり、日曜の朝から真剣な面持ちで同じ一点を見つめているのだ。
オレたちの視線の先にあるのは…チョコレート。
全然珍しくもなんともない、どこのスーパーやコンビニにでもまず間違いなく買える代物だ。
ちなみにミルク。
もちろん未開封。
う~ん。
キモイ。
いろんな意味で。
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