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退院してからというもの母親は舞菜美が発作を起こさないよう注意をはらった。毎日、朝晩薬を飲ませて…という日々の繰り返し。それもあって陽子や依子にはあんまり構ってあげられなかった。
薬が合わなかったのか毎日のように発作を起こし、そして今の薬に辿り着いた。そしたら発作も少なくなった。ただ気を付けなくてはいけないのは体に過度の負担をかけない事。てんかんを患っているせいで普通の人より体力も持たないからだ。
けれど母親には一つだけ願いがあった。それは…
『病気なんて関係ない。このまま元気に育って、いつか幸せになってほしい』
父親も舞菜美の看病と陽子達の相手をした。舞菜美はお父さんっ子で父親もオムツ替えなど率先してやるほど頼もしかった。
その父親が一年後突然いなくなるなんて誰が想像出来ただろうか…。
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