からかわれたニート作家

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「東京からです。」 「あら!また遠いとこから来たね!!ほら、ここに座って!!!」 おばちゃんは、僕を強引にカウンター席に座らせると、カウンター内に入って、僕に温かいコーヒーをついでくれた。 「東京行ったことがないな~。行ってみたいけど、この仕事だし町の人もここしか食事するとこがないから、年中開けとかなきゃいけないのよ。だから、都会で高層ビルとか見てみたいわ。」 「ずっと、ここに住んでるんですか?」 「うん。生まれも育ちもここ。」 こんなとこで何十年も暮らすなんて、俺には理解できなかった。 すると、おじちゃんが湯気がホクホクと出るオムライスを作ってくれた。 「腹減っただろ?食え!」 「ありがとうございます。いただきます。」 オムライスを食べて、俺は懐かし感覚にとらわれた。 食べたことのあるような、昔ながらのオムライスの味がするのだ。 「美味い!!こんなおいしいオムライス久しぶりに食べた!!」 「でしょ?私の旦那特製のオムライスとハヤシライスは、この店の名物なんだから!!」 「お二人は結婚なさってるんですか?」 「そうよ!子供もいるけど、今はもう家を出て働いてるわ!」 「へぇ~。」
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