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「こんなになっちゃって…いけない子だ」
蜜は太ももにまで伝ってきていた。
硬くなった部分を指の腹でこねくり回され、つままれ、爪を立てられ…。
私は電車内だということを忘れ、思わず声を出しそうになる。
だが、あとちょっとというところで手が離れた。
電車はゆっくり停車する。
「今日はここまで」
男が私の耳元でそう囁き、するりと腕を抜こうとした。
咄嗟のことだった。
私は男の手を掴み、顔を上げ、ドアごしに男を見た。
「行かないで…」
私はほとんど無意識につぶやいていた。
「続き…したいんだ?」
後ろでドアの開く音がして、人の波が動きだす。
「おいで」
ついていっちゃだめだ、と頭の中ではわかってるのに身体は男を求めている。
男は私を支えるようにしてゆっくり歩く。
痴漢なんて最低な人間のすることだとずっと思っていたが彼はそんな悪い人間には見えない。
降りたのは人気の少ない駅だった。
駅員が見ていないのを見計らって、男子トイレに連れ込まれる。
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