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18時33分、仕事で疲れた体を引きずるようにしていつもの車両に乗り込む。
社会人になって3ヶ月…毎日の帰宅ラッシュにもそろそろ慣れはじめてきていた。
車内に入って正面の開かないドアの脇に立つ。
そこがいつもの私のポジションだ。
完全に許容量をオーバーしている電車のドアが無理矢理閉められ、ゆっくり動き出す。
普段と変わらない日常。
帰ったらシャワー浴びてビール飲んでご飯食べて寝よう。
そんなことを考えていたとき、背後に妙な違和感を感じた。
おしりに何かが触れる感覚がした。
―――もしかして、痴漢…?
見知らぬ男の片手が柔らかく包み込むように私のおしりをスカートごしにゆっくりと撫でている。
痴漢だと確信すると身体がこわばってしまったが、私は視線だけをそっと動かして下を見た。
男は片手でおしりを撫で、もう片方の手に持った鞄を私の体に密着させている。
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