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「そうだ、二次会……行くでしょ?」
「あーうん。でも明日の朝早いし、大槻に挨拶したら帰るよ。」
最初から、そのつもりだった。
主役のふたりに挨拶をして、お祝いに用意しておいたティーカップを渡して帰るつもりだった。
そんな私を、望美は激しく非難する。
「何言ってるの!! 馬鹿じゃないの!?」
「ば、馬鹿!?」
聞き捨てならない彼女の言葉に、私は思わずどもってしまう。
「二次会には会社の関係者がいっぱい来るんだから。憧れのオフィスラブをゲットできるかもよ!?」
「オフィスラブって……あんた、ドラマの見すぎじゃないの?」
そんなものが存在するなら、私にだって彼氏のひとりやふたり、出来ているはずだ。
けれども中途採用で同期だった7人は、順を追って立て続けに結婚。
最後の独身貴族だった大槻でさえ、今日付けであちら側の人間になってしまった。
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