12119人が本棚に入れています
本棚に追加
.
「いや……会社関係者じゃないかもしれないし。それに……駄目だ。ほら、見て。」
「ん?」
彼女に腕を引かれて、仕方なくもう一度『爽やかイケメン』の方を見る。
すると彼の腕には、小さな子供が抱かれていた。
「あれ、子供じゃん……っていうことは、妻がいるってことでしょ? 流石に、妻子持ちに手は出しちゃ駄目だって。」
「だよね。それじゃあ月9ドラマっていうよりは、昼ドラになっちゃうもんね。」
「私、やだよ? あんたが不倫とかしたら。」
冗談半分で言ったのに、それに対して彼女は勢いよく言い返してくる。
「馬鹿言わないでよ。そこまで落ちぶれるほど、男に困っていないし。そういうのは、私よりも姫希のほうが陥りやすいと思う。」
「何で?」
「恋愛の免疫力が低下しているから。周り見ずに、破滅の道に突き進んじゃいそうだから。」
「……。」
今日は何だか、爆弾の投下率が高いな……。
望美、大槻のこと本気で好きだったもんなぁ……。
招待状を貰った時、行くかどうか凄く悩んでいたみたいだったし。
そんな姿が彼女らしくなくて、強引に誘ったのは他でもない私だったから。
好きだった人の結婚式に参加するなんて、強気に振舞わなきゃやっていられない。
彼女が刺々しいのは、ここに連れてきてしまった私にも少しは責任がある。
.
最初のコメントを投稿しよう!