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「あ……化粧直してくるから、待っていて。」
「うん、わかった。」
望美が化粧室へ行っている間、ひとりで暇を持て余していた私は、取り囲む人数が減ったタイミングを見計らって、すかさず今日の主役たちの元へと向かった。
「結婚、おめでとう。」
そう言いながら彼の傍に近づくと、幸せオーラ全開の笑顔で私を見つめてくる。
「あ、加賀見か。今日はありがとう。」
「それにしても、凄い人だね。大槻にこんな人脈があると思わなかった。」
良い奴だけど、そんなに社交的な性格だとは思っていなかったから。
「あ、これね。ほとんどが瑠里ちゃんの人脈。」
「やっぱり?」
それなら納得だ。
彼の奥さんとは面識があるけれど、凄く明るくて社交的な人だったから。
そして……その噂の彼女が私に気付いて、嬉しそうに駆け寄ってきてくれた。
「あ……加賀見さん!! 今日はわざわざ来てくれて、ありがとうございます!!」
綺麗な群青色の煌びやかなドレスを着た、幸せいっぱいの6月の花嫁。
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