プロポーズは突然に?

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「どうしたの!?その制服!」 あ、そっか。そりゃビックリするよね。 「んっと……クラスの友達がボタン欲しいっていうから、あげてきた」 「さっすがちーちゃんモテモテ~!」 「モテモテ、なの?コレ……」 「俺なんか学ランのボタン全部あげたことがあったぞ~」 突然割り込むように入ってきた低い声に振り返ると、いつ帰ってきたのか、スーツ姿の父さんが現れた。 「あら、おかえりなさい。早かったのね」 「今日は知里のお祝いだから急いで帰ってきたんだ」 どこかに台本でもありそうな、ドラマの一場面みたいな会話をするお母さんと父さんに思わず吹き出しそうになってしまった。 「……おかえり」 笑いそうになるのを必死にこらえながらそう言うと、父さんは嬉しそうに笑った。 「おお!すごいなお前!シャツのボタンまでねだられたか。さすが俺の息子!モテモテだな!」 「いや、別にモテモテではないと思うけど」 「とりあえず、知久(ともひさ)さんも、知里くんも、先に着替えてきて?その間にゴハン準備するから」 俺と父さんのやり取りを楽しそうに見ながらお母さんが言った。 「はぁい」と返事をして、リビングを出る。2階にあがろうとしたところで、 「知里」 父さんに呼び止められた。
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