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「……なに言ってんの」
驚きすぎたのか結くんは逆にすごく冷静な口調でそう言った。
「え?だから俺と一緒に暮らさないかって……」
「なんでそうなる!?」
ようやく状況が理解出来たのか結くんの目がいつも以上にくりくりと大きくなった。
「結くんは……イヤ?」
「そういう問題じゃなくて!なんで突然……そんなっ……お前ひとり暮らしするって言ってたじゃん!」
「そのつもりだったんだけど、親に反対されて……」
「ええっ!?」
「お前じゃひとり暮らしムリだって言われた」
「ああ……たしかに……」
「ちなみに結くん、公共料金ってなに?」
「ガス、水道、電気代だよ。まさか知らなかったの!?」
「うん」
結くんは顔をひきつらせると額に手を当ててうなだれた。
「……どんだけ常識知らずだよ。つか、おぼっちゃまだからか?どっちにしても……親御さんの言うとおり、知里にひとり暮らしはムリだな……」
「でもね、ど~してもひとり暮らししたいって粘ったの」
「粘ったんだ……」
「そしたら、ひとり暮らしは賛成出来ないけど、ルームシェアはどうだって言われた」
「る、ルームシェアだあぁ!?」
「よくあるじゃんか?お前ひとりじゃ不安だけど、誰か友達とか信頼出来る人と一緒に住むならいいって。まあ、そういう相手がいればだろうけど、お前と一緒に住んでくれる心の広い人はいないだろうな!って言われたんだ……」
「で……そのルームシェアしたい相手が……俺、だと」
「うんっ!」
俺が嬉しそうに笑うと、結くんはさっきよりもさらにうなだれた。
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