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「そ、か……そうか……うん……」
結くんは今自分が置かれている状況を確認するよう独り言みたいにブツブツつぶやいた。
「場所も近いし、結くん引っ越しするなら一緒にどうかなって……もちろん家賃は半分出すし、部屋の間取りとかも結くんが好きなとこでいいし……」
「いや、うん……お前の言いたいことは分かるんだけど……その、あまりにも突然だから……」
「でも、俺できるなら結くんと1分1秒でも多く一緒にいたいんだもん……」
「その気持ちは嬉しいんだけどさ……その、一緒に住むってどういう意味か分かってる?端から見たらルームシェアだろうけど、俺たちは付き合ってんだから……その……一緒に暮らすってことは……」
「もちろん分かってるよ。俺はルームシェアだなんて思ってない。これは、同棲だと思ってる。もちろん親にはそんな風に今は言えないけどね……俺はそういうつもりで結くんと一緒に暮らしたいって思ってるんだよ」
そう。
ルームシェアと言われて、
俺はむしろラッキーだったと思ってる。
いつかは一緒に暮らせたらいいなと思ってたから。
端から見たらルームシェアだろうし、父さんにももちろん結くんのことは“信頼できる人”という形で紹介するつもり。
でも、俺としては、これは、
結婚を前提にというか……
実際、法律じゃ結婚は出来ないんだけど……
一応、そういうつもりで一緒に暮らしたいと結くんに提案してみたんだ。
いわゆるこれは
プロポーズに近い、発言なわけだけど……。
「結くんが嫌なら無理強いはしないよ?ただ、少しでも俺と同じ気持ちなら……いっしょに、暮らしてくれませんか?」
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