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「……ちーちゃんのお友だち?」
「ん~……もっと大事な人かな」
ニヤリと笑って結くんを見ると、結くんは「言うなよ!」と必死に口をパクパクさせていた。
でも大事な人っていうのは本当だしなぁ……。
花音ちゃんは俺から降りると結くんの方へと近づいていった。
「こんにちは」
結くんは花音ちゃんの身長に合わせるように小さくしゃがむ。
「お名前は?」
「橘 花音ですっ」
「花音ちゃんか。可愛い名前だね。よろしく」
花音ちゃんにニコッと優しく微笑む結くん。
結くんって意外と子どもの扱い上手かも。
さすがセンセー。
結くんの先生っぷりに感心していると、花音ちゃんが結くんの前でヒクヒクと鼻を動かした。
「あ、ごめんね。もしや俺くさい!?」
「ううん……いいにおい」
「あ、それなら良かった」
「ちーちゃんのお嫁さんとおんなじにおいがする」
「……え?」
「ちーちゃんからも、おにーちゃんとおんなじにおいがしたんだ。いいにおいって言ったらね、ちーちゃんは、俺の大好きな人のにおいだよって言ってたの」
「は!?」
「お嫁さんかな、って。おにーちゃんは、ちーちゃんのお嫁さんなの?」
「っ!!!!」
結くんの顔がボッと音を立てて真っ赤になった。
あ、照れてる。
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