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「そんなことないです。知里くん、いいとこたくさんありますよ?俺にはないものをたくさん持ってるから一緒にいてすごくいいものを吸収させてもらってます」
「結くん……」
「たくさん笑わせてもらってるし。やっぱり、ひとりよりふたりの方が楽しいんですよね」
ゆうぅぅくんんんん~!
本当に俺、泣いちゃいそうだよ。
「そう言ってもらえるとありがたいんだけど……本当にいいのかい?」
「ええ、もちろん。むしろ楽しみなくらいです」
ちょっと結くん……それは愛の告白と捉えてもいいのかしら。
あぁ、もお、結くんが愛しすぎて愛しすぎて……今すぐムギュ~ってしたいのに出来ないこのもどかしさ……。
甘えたいのに甘えられないっ!
今にも「きゅぅん」と甘えた声が出そうになるのをぐっとこらえると、父さんを見る。
「あのね、父さん。結くんは俺にとって、すごく大事な人なの。すごーく大切な存在。結くんは誰よりも信頼出来る人だから……結くんがいいって言ってくれたなら俺は結くんと一緒に暮らしたいんだけど……」
なんだかこれじゃあ本当に結婚するみたい……。
言ってて胸がドキドキしてしまう。
それは結くんも一緒なのか、結くんの頬も赤くなっていた。
「ん~……それなら……塚原くん、迷惑をたくさん掛けることになると思うんだけど、よろしくお願いしてもいいかな?」
「はいっ」
結くんはコクリと頷くと少しだけ嬉しそうに笑って紅茶を飲んだ。
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