ご両親に、ご挨拶

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そのあとは結くんも一緒に夕飯を食べた。花音ちゃんとりっくんは結くんをすごく気に入ったみたいで「ゆーちゃん」と呼んでベッタリくっついていた。 夕飯を食べたあとは結くんを家まで送る。 あたりはすっかり真っ暗で、住宅街を抜けた先の遊歩道には誰もいない。 「ひとりで帰れるから送ってくれなくて良かったのに……」 「いいの。俺がいっしょにいたいんだもん」 さっきくっつけなかった分、結くんにピタッとくっつく。 「あんまくっつくなし」 「誰か来たらちゃんと離れるから、ねっ?」 甘えるように尻尾を振ると、結くんは「しょうがねぇな」と言って前を向いた。 「今日は来てくれてありがとね」 「ああ、うん。しかし、あれだなー、やっぱりというか、さすがというか……親父さん、知里にそっくりだった」 「ほぇ?そお?」 「うん。超~そっくり!顔とか、ちょっと変わった性格とか……」 結くんは俺の顔を見ると思い出し笑いするようにクスクス笑った。 「それから、すごく優しいとことか……知里にそっくりだった」 あ、だめ、結くんのその笑顔やばい。 今、プツって切れたよ、理性が。 俺は結くんの腕を掴んで引き止めると、少しだけ背中をかがめて唇を重ねる。 少しだけ冷たい夜の風が、俺たちの髪の毛をそっとなでる。 なんだかこの場所が、俺と結くんのためだけに用意された舞台みたいに感じる。
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