ご両親に、ご挨拶

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ゆっくりと顔をあげて結くんを見つめると、結くんは恥ずかしそうに目を反らして俺の胸に手を置いた。 「とつ、ぜん……キスとか、すんなよ……心臓に悪い。てか、場所考えろ、ばか」 「ごめん。でも、我慢出来ない……それくらい、好きなんだもん。結くんのこと」 背中に腕を回してぎゅうっと抱きしめる。 結くんは「場所考えろ」って言ったわりに、俺のことを突き放すようなことはなくって、胸のあたりにポテっと頭をくっつけた。 「結くん、超好き……」 「知里さあ、俺と付き合うようになってから、超が口癖になったよな……」 「だって……結くんといると超をつけないと足りないくらい気持ちがいっぱいいっぱいになるんだもん」 「なんだそれ……わけわかんねーし……」 「結くんは、俺のこと、好き?」 結くんは俺の胸に当てていた手で洋服をギュッとつかんだ。 「……うん……すき」 か……可愛すぎる……! んもおおお~!可愛すぎてどうしたらいいかわかんないっっっ! ムギューと抱きしめて肩に顔をうずめると、結くんが「……あ」と、つぶやいた。 「知里、あさってヒマ?」 「ん?ヒマだよ」 「俺、あさって、物件探しに不動産屋行こうと思ってるんだけど……いっしょ行く?」 「え?いいの?俺も行って……」 「ていうか、いっしょ来て。ひとりじゃ決めらんないよ……知里もいっしょに住むんだから、ふたりでちゃんと決めよ?」 「うんっ」 嬉しい……超うれしー……っ! 本当に結婚したみたい。 楽しみだなぁ、おうち探すのっ。 「結くん、手つないで帰ってもいい?」 「……人来たら離せよっ」 「わかってる~」
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