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「と、いうわけでだ……今から新居についての話し合いを始めたいと思います」
「……話し合い?」
天気は晴れ。絶好の新居探し日和!
張り切って行こう!と思ったが、俺は結くんにひっぱられ、不動産屋の真向かいにあるカフェに連れて来られた。
アイスココアを飲みながらキョトンとした顔で結くんを見る。
「なんの話し合い?」
「だから新居の話し合い。何も考えず丸腰で乗り込んだらなかなか決めらんなくてグダグダするに決まってる。こういうときは、いろいろ決めてから行くべきなんだよ」
「さすが塚原センセ。しっかりしてますね~」
「お前が無計画すぎんだよ」
……そうなのか。
「で、なにから決める?」
「まずはいちばん重要な家賃だろ。俺は給料の3分の1で考えるとー……頑張って出せて、7万、かな……知里んちも同じ金額出してくれるといいんだけど……高いかな?」
「んー?大丈夫だと思う。お金なら心配ないって言ってたから」
「うわー……さすがボンボン……言うこと違うわ。んじゃ、ふたりで足して14万。家賃は最高14万な。その金額以下で良い物件があればそっちで」
「はーい」
「次は部屋の間取りとかだよなー……知里はここはこれじゃなきゃヤダ~とかある?」
「んー……そうだなぁ……あ、お風呂とトイレは別がいいな」
「あ~わかるわかる!俺もそっち派だわ。トイレと一緒だとゆっくり風呂に浸かれないからな」
「ていうか、トイレもいっしょだと、今までみたいにお風呂場でエッチ出来ないじゃん?バスタブん中でやらなきゃいけなくなっちゃう……」
「ブッ!!!!」
結くんの口からアイスカフェラテが軽く噴射した。
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