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「だいじょー……うっ!!!」
心配したのも束の間。
結くんの鋭い蹴りが俺の足のスネを直撃した。
あまりの痛さに悶絶して、テーブルの上にあごを乗せて目を潤ませる。
「いーたいー……なんで蹴る~?」
「お前が余計なこと言うからだろ変態ワンコが!黙れ!」
「わん……」
だって、よくお風呂でエッチするのは事実じゃんか……。
怒られてしょんぼりしていると結くんがポカっと頭を叩いた。
「とりあえず!理由はともかく……風呂とトイレは別な!」
「うんっ」
「あと……俺としては、自分の部屋が欲しいんだけど」
「自分の部屋?……結くん、俺といっしょにいたくないの?」
ますます尻尾と耳が垂れ下がる。
「別に、そういう意味で言ってんじゃなくて……俺、荷物多いし、仕事始まったら持ち帰りの仕事とかあるかもしれないからさ、やっぱそうなると自分の部屋が欲しいなーと思って」
「そっか……」
「もちろん知里の部屋もあった方がいいと思うし。個人の部屋2つと、共有のリビングが1つ……あればいいかなって思うんだけど、どう?」
「それはいいけど……寝るときは?」
「ああ、各部屋でいいんじゃね?俺自分のベッド持ってくからお前も自分のベッド持ってくれば」
「えー!!!やだやだ!絶対やだ!絶対結くんといっしょに寝た……っ!」
また思いきりスネを蹴られ、俺はテーブルに顔を伏せた。
「声がでけぇんだよ!」
「ううぅ~……でも、やなんだもん。寝るのは絶対いっしょじゃなきゃ、やーだあー」
「あーもーわかったわかった……んじゃ、寝るときはどっちかの部屋で寝ればいいんじゃね!?」
結くんは根負けしたという顔でそう言った。
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