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ここに住むんならお前とは暮らさない、と脅されてしまったので仕方なく1件目は断念。
2件目、徒歩8分13万円へ。
「ここはデザイナーズマンションで結構人気があるんですよ~」
そう言って紹介された部屋はオシャレな内装で、部屋の広さもまあまあ。
結くんはさっきの件があったからか入ってすぐにまわりに墓地がないか真剣に確認していた。
本当に可愛い……。
「よしっ、ない!どう?いいんじゃない?ここ」
「うーん……ちょっと待って」
乗り気な結くんに対し、俺はあごに手を当てるとお風呂を確認しに行く。
「あ、だめ!」
「え?なんで?」
「お風呂が狭いもん。もっと広くないと派手にエッチが……!」
全部言い切る前にみぞおちに思い切り結くんのパンチが入った。
「言わすか、変態」
「うう……いたい……本気で殴ったでしょ?」
「すいませーん。3件目見せてもらっていいですかあ~」
「ねぇ、ちょっと、無視しないでよ結くん」
結くんは苦しむ俺を放置するとリビングに残っていたオジサンの元へ行ってしまった。
そんなわけで、
2件目も却下。
最後の望み、3件目へと向かう。
「ここはねぇ~、築年数が3件の中でいちばん長いから、エレベーターがちょっとついてないんですけど……」
階段をのぼりながら内装を見渡す。古いというわりに、すごくキレイな内装で、階段のライトはアンティーク調のシャンデリア。
なんだか日本って感じがしないな……。
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