同棲準備スタート

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紹介された部屋は最上階の5階。 「みんな、階段が億劫だからってなかなか5階に住みたがらないんですよねー。部屋はすごくいいと思うんですけど」 玄関のドアを開けた先に広がったのは真っ白な壁や天井に、白っぽいフローリング。部屋の中のドアも木製の白いドア。照明はレトロなシャンデリア。 「すごい……キレイ……」 本当に日本であることを忘れてしまいそうな内装に思わずうっとりとしてしまう。 あ、お風呂お風呂。 肝心なお風呂をのぞきに行く。 レトロな洗面台の奥に行くと、現れたのは今どきのマンションではなかなか見ない猫足のバスタブ。 初めて見たよ、猫足。 「知里ー?お風呂はー……って、なんだこの風呂!?」 呆気に取られていると、あとからやってきた結くんがビックリして声をあげた。 「すごいよねー、猫足。俺、生で初めて見たよ。なんかエロいね、やっぱり」 「つか、使いづらそうだろ……」 結くんがげんなりしていると、うしろからひょこっとオジサンが顔を出した。 「ああ、それね。オーナーの趣味なんですよ。外国で気に入ったものを見つけてはすぐに買い付けてるみたいです。部屋の照明とか内装もそうなんですけど。まあ……女の子向け、ってところですね」 「ここにしますっ!」 「はあ!?」 「結くん、俺この家がいいっ!」 俺は目を輝かせると結くんの肩に手を置いた。
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