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「この服、俺が買ってあげたやつだなぁ~と色々思い出してるうちに興奮してきたから、オナ……!!!!」
今度はさっきの倍、強い力で本の角が脳天を直撃し俺はバタッと床に倒れた。
「てめぇ、何しに来たんだよ!」
「うぅんと……手伝いがてらオナ……」
「マジでぶち殺されたいわけ?」
「……すいません」
結くんは俺から洋服を奪い取ると、「あ……」と何か思いついたような顔をした。
「そうだ、知里。俺ともう1つ約束してほしいことがあるんだけど……守ってくれる?」
めったに聞かない甘えたような声を出すと、結くんは俺の頭をヨシヨシとなでる。
それが心地良くて俺はニコニコ笑うと2つ返事で「うんっ!まもるっ」と答えた。
「なに、約束って?」
「うんとねー、俺が、ハウス!って言ったら自分の部屋戻れ」
「え?」
「わかった?ということで、知里、ハウス!」
そ……そんな結くん……殺生な!!!!
「まて」の次は「ハウス」って……そのうち「伏せ」とか言われそう。
「え~っ、結くんのお手伝いは~?」
「せんでいい!余計なことしかしないから!はいはい、出てけよ、ハウスハウス!」
結くんは俺をズルズルと引っ張ると部屋から放りだし勢いよくドアを閉めた。
「ゆうぅくぅぅんん」
「あ、そだ。そんなヒマならさっさと風呂掃除してきてくれる。今日お湯溜めて入りたいから」
「はっ!お風呂!行ってきます!」
我ながらなんて単純なんだ……と思いつつも、俺は尻尾を振ってお風呂場へと直行した。
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